私の子育ての力になってくれた出逢い
「どんなことがあっても、子育てを楽しむ気持ちさえあれば大丈夫!」そんなふうに思っていた5年前の自分はなんて甘かったのでしょう。子育ては、これまで経験したことのない素晴らしい瞬間や感動にあふれています。――が、そればかりではありませんよね。思えば、コロナ禍真っ只中での妊娠出産・初めての育児。生まれた我が子はとにかく泣く子。気軽に外出や散歩することもできない中、抱っこしても何しても泣き止まず、起きている間ほぼずっと顔を真っ赤にして大音量で泣き続ける娘と二人きりの室内。とりわけ夕方からはなんと5~6時間も毎日ノンストップで泣き通しです。心配になって小児科で診てもらっても、どこにも異常はないと言います。「じゃあどうしてこんなに泣くの?」と困り果てていたものの、これはまだ序章に過ぎませんでした。
1歳を過ぎ自我が芽生え始めた娘は、赤ちゃん期のギャン泣きを激しい癇癪に進化させてぶつけてくるようになります。寄り添い、受け入れ、共感の声かけで気持ちを代弁…そんなものすべてを拒絶し、のたうち回って大絶叫する娘。癇癪の対応について必死に調べましたが、何をしても逆効果、何もしなくても火に油。「大丈夫だよ」と抱きしめようとしても全力で拒否され、無力感でいっぱいになりました。何が一番辛かったかというと、癇癪の理由がわからないということ。母なのにわからない、この子の気持ちが。癇癪のきっかけは様々でしたが、理由がわかれば対処のしようがあります。眠い、あれが欲しい、自分でやりたいけどうまくいかない、もっと遊びたい…。ですが、娘の癇癪はまったく予測不能な瞬間に始まるため、まるで地雷原にいるような毎日でした。
そんな中、娘が1歳半頃から時折足を運ぶようになっていた「子育てサロンくるみ」が、いつしか、子育てをするうえで欠かせない大切な場所となっていきました。実家が遠く頼れる人もいない私にとって、くるみは子どもと二人きりの緊張感から解放され、ほっとできる場所。そしてそれは何よりも私の求めているものだったのです。代表の中村友子先生はいつでも笑顔で温かく迎えてくれましたし、先生やくるみに来るお母さんたちと食事を囲みながらおしゃべりする時間はとても楽しく、他愛もない話からちょっと深刻な話までできる懐の深さがあり、「何かあったら相談できる」という心強さに内心いつも助けられていました。娘が2歳半を過ぎても相変わらず癇癪と向き合い試行錯誤する日々。が、ある時期1時間も続く癇癪が1日のうちに何度も起こり、それが1ヶ月以上も続きました。毎日繰り返されるすさまじい癇癪に気力も体力もすり減ってしまい、「このままでは圧し潰される」そう思ったとき、とっさに頼ったのはくるみの友子先生でした。それまでもいくつかの相談先で癇癪について相談はしていたものの、自分自身が追い詰められていることを認め、心情を打ち明けたのはこのときが初めてでした。それまでは自分一人で抱えていた思いを言葉にしたことで気持ちが楽になっただけでなく、「今の状態はあまりにも辛すぎる。どうしたらいいか一緒に考えよう。」と言ってもらい、実際、別の角度から相談先につなげていただくことになりました。自分一人では行き詰まっていた場所から少し先へと、ようやく道筋が見えるようになったのです。
さて、それから2年がたった今、娘の癇癪がどうなったかというと、3歳半を境にパタリとなくなり、結局あの癇癪は何だったのか、なぜ落ち着いたのかもわからないまま迷宮入りし、今ではあの日々が嘘のようです。気づけば周りの人の温かさや親切にいつも助けられ、ここまでやってこられました。いま、子育て真っ只中のお父さんお母さん、今日を乗り切るために目一杯気を張って子どものことに一生懸命になっていると、自分の辛さに気づかない、もしくは気づかないふりをしてしまうことがありませんか?「自分はまだまだ大丈夫」と自分に言い聞かせないと挫けてしまいそうなときもあるかもしれませんね。自分の子育てに自信が持てなくなっている、心細くて誰かを頼りたくなっている、そんなちょっと弱っている姿を人に見せるのはとても勇気のいることだと思います。ですが、一人で抱えずに、ほんの少しだけ、誰かに打ち明けてみてください。今困っていることを。様々な事情で身近な人の協力を得られないこともあるかもしれません。そんなときには、子育てサロンくるみや支援センター、保健センターがありますからね。耳を傾けてくれる人が、必ずいます。そしてきっとあなたの力になってくれる人につながっていきますよ。
もうすぐ5歳児の母















