家事をする時間がないと思い悩むお母さんへ
産後、赤ちゃんのお世話で精一杯。授乳、寝かしつけ、抱っこ。昼間に仮眠も取れていないのに、時間ばかり過ぎていく。
「あっ!もう、パパが帰ってくる時間だ!」まわりを見渡すと、ぐちゃぐちゃの洗濯物。ホコリをかぶった棚。洗えていない食器。まだご飯も作れていない。
この惨状を見たらパパはなんて思うだろう。「家にいるのになんでできていないんだ?」って思うかな。
「仕方ないよね」と、口では言ってても本当は怒っているんじゃないのかな。
家事をしようとしていたんだ。でも家事をしようとすると、赤ちゃんが泣いて・・・泣きやまないからずっと抱っこしていたんだよ。
なんでこんなにできないんだろう。なんでずーっと家にいるのにできていないんだろう。
私もそうでした!
掃除、洗濯、赤ちゃんのお世話。できていないことがあると、自分を責めて。
散らかっていく部屋を見つめて泣いていました。実家も遠くて、頼れる人もいなくて、赤ちゃんが泣いている姿を見ながら自分も泣いて。
そんな日々を過ごして、やっと赤ちゃんと一緒に出かけられるようになった生後4か月。
子育て支援センターに行ったときに「今日」という詩を教えてもらいました。
それを読んで涙が出ました。それは辛かった日々を思い出してではなく「私頑張っていたなぁ。あんなに泣いて、ずっと抱っこしていた赤ちゃんがこんなに大きくなったんだ」とわが子の成長を感じて・・・
『今日』(作者不明 伊藤比呂美 訳)
今日、わたしはお皿を洗わなかった
ベッドはぐちゃぐちゃ
浸けといたおむつは
だんだんくさくなってきた
きのうこぼした食べかすが
床の上からわたしは見ている
窓ガラスはよごれすぎてアートみたい
雨が降るまでこのままだとおもう
人に見られたら
なんていわれるか
ひどいねとか、だらしないとか
今日一日、何をしてたの? とか
わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた
わたしは、この子が泣きやむまで、ずっとだっこしていた
わたしは、この子とかくれんぼした。
わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした。それはきゅうっと鳴った
わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった
わたしは、この子に、していいこととわるいことを、教えた
ほんとうにいったい一日何をしていたのかな
たいしたことはしなかったね。たぶん、それはほんと
でもこう考えれば、いいんじゃない?
今日一日、わたしは
澄んだ目をした、髪のふわふわな、この子のために
すごく大切なことをしていたんだって
そしてもし、そっちのほうがほんとなら、
わたしはちゃーんとやったわけだ